テキストで学ぶプロ棋士囲碁講座

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二十四世本因坊秀芳(石田芳夫九段)
第5回
「序盤の形勢判断 その2」
今回も「序盤の形勢判断」です。

【テーマ図】
前回の続きです。テーマ図は白がトンだところです。
黒も守って、白も守って、相当確定地になってきて計算しやすくなりました。
左上の黒地はだいぶ増えました、上辺と右下隅と下辺を足して同じくらいです。左下隅と右辺はあいかわらず同じくらい。

まだまだ難しいですが、次が黒番でもあるので少し黒良しといったところです。

ここで次の黒の手を考えてみましょう。候補は三つあります。
まず、継続して白の石に攻撃するAのトビ。
次に、戦いは一段落とみてBのボウシ。
最後に、同じく、一段落とみて計算できるCのケイマ。

さて皆さんはどのように打ちますか?
まずA、通常のアマチュアは相手が打った石の近くに打ちがちです。白は弱い石なので右辺の地は荒らされません。どの手でキカすか、まだ保留するのがいいでしょう。

次にBです。威勢のいい手ですね。ボウシは打った瞬間は気持ち良いのですが、出られてどうなるか。左上隅の地は確保したいのですが、上を打つとチグハグになってしまうかもしれません。
正解はCです。私は地で負けないという判断の手です。こう打って負けてしまっては問題です。後押しのようですが、良い手です。左上隅の黒地が上辺と右下隅と下辺を足した白地より大きくなるので、この形は白ダメです。

白は前図のように打つと負けてしまうので、囲い合いではなくて荒し合いにもちこもうとします。左上隅は荒らされましたが、左辺一つで左下隅以外の白地を足したものより大きいです。しかも、右下隅の白が弱いので見た目以上に黒地ができやすいのです。
次回は「コウの判断」をお送りします。お楽しみに。
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