テキストで学ぶプロ棋士囲碁講座

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二十四世本因坊秀芳(石田芳夫九段)
第4回
「序盤の形勢判断 その1」
今回は「序盤の形勢判断」です。

【テーマ図】
30手くらい進んだところですね。白1とツメたところです。
ご覧の様に持久戦。こういった感じの時は地所の数を数えます。白は左下隅と上辺、そして少し小さめの右下隅、二つ半ですね。
黒は右辺と左上隅と下辺で三つ。
左下隅の白地が25目くらいそれに対抗できそうなのは右辺。上辺と左上隅も15目ぐらいでほぼ同じ。下辺黒と右下隅白では黒が多そうです。

なので、黒がわずかに不満のない布石です。

ここで次の黒の手を考えてみましょう。候補は三つあります。
まず、白のふくらみを抑えつつ黒を増やすAのトビ。
次に、下辺の打ち込みをふせぐBの守り。
最後に、白からのツメをふせいでCのツメ。

さて皆さんはどのように打ちますか?
まずA、立派な手です。しかし右上の白はいい形なので打ち込む手がなく、物足りません。

次にBです。打ち込みを防いで立派な手ですが、打ち込まれても黒が分断されてしまうことはなく地だけの問題。地は損しても厚みができるので打ち込まれても、困りません。
正解はCです。わずかにこの手が一番大きそうです。この手は左上隅の黒地を確定させる効果もあるのです。仮に、左上隅の地が確定していたらタダの10目程度の手になってしまいます。

白は増やすところがないので、下辺に打ち込んで減らしにきます。
普通は生きることができないのですが、右下隅にサガリがきてるので大丈夫です。
黒はしっかりと断点を守って厚くなりました。厚くなったので、白18のような地にならない手を打たせることができます。

ちなみに、白に左辺をツメられるとこのような手があり、あらされてしまいます。
次回も「序盤の形勢判断」をお送りします。お楽しみに。
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