テキストで学ぶプロ棋士囲碁講座

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二十四世本因坊秀芳(石田芳夫九段)
第3回
「大模様の形勢判断 その3」
前回に続きまして、今回も「大模様の形勢判断」です。

【テーマ図】
黒3はスミに手がないのできめておきます。中央を囲いにいった時に下辺は弱くなるかもしれないので、いまがタイミングです。
黒5ののぞきに手抜くと根元から切られるのでつなぎます。

ここがテーマ図です。

ここで次の黒の手を考えてみましょう。候補は三つあります。
まず、縦の線をとめるA。
次に、下からの進入をとめるB。
最後に、下辺を地にするC。

さて皆さんはどのように打ちますか?
まずC、通常は大きい手です。白からだとカドまでこられるところです。
しかし、白に中央へ進出されてうまくとまりません。

次にBです。ここをとめる形としてはいい形なのですが、白2とトバれて無理にとめようとすると左辺の黒が危険です。
正解はAです。ここをとめることで前図のようなアジの悪さを軽減しています。

黒3からギリギリの攻防です。模様の碁は一路違うだけで何目も変わります。
白はいかに減らすか、黒はいかに頑張るか、黒はやぶれたら即負けになってしまいます。
黒19で31のところに切ると上図のように左辺が危険になってしまいます。
また、黒25で24の一路左に打ってしまうと、押さえられて取られてしまいます。

黒が模様のスケールを的確に判断して仕上げた碁でした。

ちなみに、白2で大ゲイマに打つと黒3以下フリカワリになりますが白が全然ダメです。
次回は「序盤の形勢判断」をお送りします。お楽しみに。
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