テキストで学ぶプロ棋士囲碁講座

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二十四世本因坊秀芳(石田芳夫九段)
第2回
「大模様の形勢判断 その2」
前回に続きまして、今回も「大模様の形勢判断」です。

【テーマ図】
テーマ図は白がとんだところです。
ここで形勢判断をしてみましょう。

白の地はほとんど確定地ですね。
左下がだいたい15目あります。右上隅の形は昔から6目。あわせてだいたい20目。右下隅は10目くらいです。左上は20目から20数目といった感じ。あわせて50数目になります。

問題は黒地です。右辺が15目くらいは確定地。下辺と左辺は地には数えられないが、全部で20目くらい。黒の自慢は右上の厚みです。そこに40目はつけたいところです。線で囲むと分かりやすくなりますね。

ここで次の黒の手を考えてみましょう。候補は三つあります。
まず、左辺の石を補強するならばだいたいこの形、A。
次に、なんとなくバランスをとってB。
最後に、中央を囲いつつ左辺にも応援をおくるC。

さて皆さんはどのように打ちますか?
まずAは、とても常識的な手です。しかしこの碁では中央の囲い具合が問題です。
白2と打たれると、なかなか中央がまとまりにくくなってしまいます。
次にBは後にしてCです。ここは不安定な石に不安定な石を近づける感じで、白2くらいで次の手に困ってしまいます。

正解はBで、このくらいが相場です。白4はもっと進むと危ないので遠慮してこのくらい、白16までがきて中央への手がかりができるので黒に囲わせてもいいという判断。
白22まで、中央の黒地は先ほどのラインでだいたい囲えそうです。
しかし、20目と数えていた左上が40目になりました。黒はさらに20目を増やさなくてはいけません。
おもしろいところですが、続きは次回やりましょう。

次回も「大模様の形勢判断」をお送りします。お楽しみに。
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