日本囲碁ニュース (王座戦)

日本の囲碁ニュース・棋戦情報をお伝えします。
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囲碁ニュース [ 2019年12月3日 ]

芝野、王座を獲って二冠に

 第67期王座戦五番勝負(日本経済新聞社主催)の第4局が、11月29日に愛知県蒲郡市の「銀波荘」で行われ、挑戦者の芝野虎丸名人が、井山裕太王座に白番半目勝ちを収め、3勝1敗で王座を奪取した。序盤から形勢互角のまま進み、最後にヨセで芝野がかわした。芝野は「大変な碁が多く、勝てたのは運がよかったとしか言いようがありません」とシリーズを振り返り、「小さいころから目標にしていた井山先生と、こんな舞台で打てるとは思っていませんでした。勝てたことを自信にして、頑張っていきたいです」と笑顔で語った。敗れた井山は、3冠に後退したことを「逆にここまでこれほど長く、よく(4冠以上を)キープできたなというのが率直なところです」と話し、「結果は仕方ないですが、内容的には少しずつよくなってきている手応えもあるので、この舞台にまた戻ってこられるように努力したいです」と奪還に意欲を見せた。
 名人と合わせて二冠となった芝野は、他棋戦の戦績もよく、今年の勝ち星ランキングも現在トップを走っている。来年の活躍にも注目が集まりそうだ。

囲碁ニュース [ 2019年11月21日 ]

王座戦は、芝野が王手

 井山裕太王座に、芝野虎丸新名人が挑戦している第67期王座戦五番勝負(日本経済新聞社主催)は、挑戦者の先勝に続いて、第2局が11月16日、第3局が18日に、いずれも山梨県甲府市の「常盤ホテル」にて行われた。第2局は、芝野のわずかな緩みを逃さず井山が逆転し、厳しい打ち回しで大石を取って中押し勝ち。解説の山下敬吾九段が「ペースを奪ってからは相手にチャンスを与えず勝ち切った。王座の強さが光る一局」と評する快勝譜となった。第3局も井山がペースを握るが、解説の高尾九段は「形勢が苦しくなってからの芝野名人の粘りがすさまじく、勝負勘と判断力で逆転につなげた。互いの持ち味が出た大熱戦だった」と振り返る。芝野が乱戦を1目半制し、タイトル奪取にあと1勝と迫った。芝野は「大変なのは間違いないので、これまで通りがんばりたい」、井山は「内容的には自分なりにまずまずの感触があるので、しっかり準備して臨みたい」とそれぞれ次局への思いを語った。第4局は、29日に愛知県蒲郡市の「銀波荘」で行われる。

囲碁ニュース [ 2019年11月8日 ]

王座戦開幕。新名人が先勝

 永世称号を獲得できる五連覇をかけた井山裕太王座に、芝野虎丸新名人が挑戦する第67期王座戦五番勝負(日本経済新聞社主催)が開幕した。日本囲碁界の第一人者と史上最年少名人という、おそらく囲碁ファンにとって「今最も見たいカード」の第1局は、10月25日、大阪府大阪市の「ウェスティンホテル大阪」で打たれ、期待どおりの熱戦を繰り広げた。 両者が対局前に「見ている方に楽しんでいただける碁を」と語ったとおり、序盤から両者の構想がぶつかり合う一手一手が興味深い展開となった。互いに相手の言うことを聞かず、深い読みの入った巧手を放ってポイントをあげ合いつつ、どこまでいっても「いい勝負」という、密度の濃い内容で「名局」の呼び声が高い。寄せに入っても互角の形勢だったが、最後に挑戦者が半目を制した。芝野は「今回は勝てましたが、これからも厳しい戦いが続くと思います」と静かに語った。敗れた井山は「いろいろ分からないことだらけだった」と難戦を振り返り、「次の対局まで間があくので、いい状態で臨めるように精一杯準備したい」と巻き返しを誓った。第2局は、11月16日に、山梨県甲府市の「常盤ホテル」にて行われる。

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