日本囲碁ニュース (碁聖戦)

日本の囲碁ニュース・棋戦情報をお伝えします。
日本で行われている囲碁のイベントや棋戦情報を皆様にお伝えします。

囲碁ニュース [ 2019年8月29日 ]

羽根、8期ぶりに碁聖位を奪取

 挑戦者の羽根直樹九段二連勝の後、許碁聖が二連勝を返して迎えた第44期碁聖戦挑戦手合(新聞囲碁連盟主催)の第5局が、8月23日、東京都千代田区の日本棋院で打たれた。序盤、羽根の果敢なツケから中央で競り合いが始まり、以降も羽根が主導権を握り続けた。コウ争いが絡む険しい攻防の末、150手まで、羽根が白番中押し勝ちを収め、8期ぶりに碁聖位を奪還。許の初防衛はならなかった。敗れた許は「布石の構想がおかしかったのかもしれない」と本局を振り返り、「内容的にはいい碁も悪い碁もあった。精一杯打てたので、結果は仕方ありません」とシリーズを振り返った。羽根は「難しい戦いで、全く読み切れていませんでした。シノギがあったのは運がよかったです。最後、力を出し切れ、中部にタイトルを一つ持ってこられたのはよかった」と笑顔で語った。昨年、井山裕太六冠(当時)から名人位を奪った張栩名人のがんばりに「刺激を受けた」と語り、「井山さんの一強時代から、賑やかな群雄割拠の時代にしたい。自分はこの一、二年が勝負」と語っていた羽根。見事に張栩名人に続き、その言葉通り、日本囲碁界が賑やかになってきた。

囲碁ニュース [ 2019年8月15日 ]

許碁聖、スコアをタイに戻す

 許家元碁聖に羽根直樹九段が挑戦する第44期碁聖戦挑戦手合(新聞囲碁連盟主催)の第4局が、8月9日、愛知県名古屋市の日本棋院中部総本部で打たれた。許は、初戦から二連敗の苦しい展開となったが、黒番中押し勝ちを収め、前局に続いて二連勝でスコアをタイに戻した。許は「自分らしい碁を打ちたい」、羽根は「第3、4局は内容が悪かった。第5局はいい碁を打ちたい」と、それぞれ抱負を語った。決着のつく最終局は、8月23日、東京都千代田区の日本棋院で行われる。

囲碁ニュース [ 2019年8月8日 ]

許家元碁聖、一勝を返す

 挑戦者の羽根直樹九段の二連勝で迎えた第44期碁聖戦挑戦手合(新聞囲碁連盟主催)の第3局が、7月27日に石川県金沢市の「北國新聞会館」で打たれた。白番の許家元碁聖が難解な大斜定石を仕掛け、羽根が受けて立った序盤は、検討陣からはやや白よしの評価。中盤に入ると羽根に後悔の一手があり、その後「絶好点だった」と羽根が振り返る白86のボウシから許が一気に優勢を築くと、そのまま押し切る形で羽根を投了に追い込んだ。一勝を返した許は「カド番というのは変わらないので、次局も精一杯がんばりたい」と語り、羽根も「次も精一杯打つだけ」と語った。第4局は8月9日、羽根の地元、愛知県名古屋市の日本棋院中部総本部で行われる。

囲碁ニュース [ 2019年7月24日 ]

羽根、二連勝で碁聖奪取に王手

 許家元碁聖に、挑戦者の羽根直樹九段が先勝してスタートした第44期碁聖戦挑戦手合(新聞囲碁連盟主催)の第2局が、7月19日、東京の日本棋院本院で行われた。中盤、黒番の許が左下の白の大石に襲いかかったシーンは、シノギを得意とする羽根が冷静に対処。終盤の難解なコウ争いで羽根がリードを奪い、そのまま押し切った。216手まで、白番中押し勝ちを収め、羽根が8期ぶりの碁聖位に王手をかけた。許は「ミスがいくつかあったので、次局は内容のいい碁を打ちたい」と巻き返しを誓い、羽根は「いい流れが来ているので、この流れが途切れないように一生懸命打ちたい」と語った。第3局は、27日に石川県金沢市の北國新聞会館で打たれる。

囲碁ニュース [ 2019年7月3日 ]

碁聖戦、羽根直樹九段が先勝

 許家元碁聖に、羽根直樹九段が挑戦する第44期碁聖戦挑戦手合(新聞囲碁連盟主催)が開幕した。井山裕太四冠が七大タイトルの挑戦手合に出場しないのは4年ぶりとなる。許が勝てば初防衛、羽根が勝てば8期ぶり二度目の碁聖位で、新旧対決としても大いに注目が集まるシリーズだ。羽根は「久しぶりの大舞台なので、しっかり準備していい碁を打ちたい」と語り、迎え撃つ許も「羽根先生は最近調子がいいですよね。僕も自分なりに準備をして、力を出し切り、いいパフォーマンスを発揮したい」と臨んだ。
 五番勝負の第1局は、6月30日に京都市左京区の「金戒光明寺」で打たれた。対局室となった「松の間」は枯山水の庭園に接しており、冷房設備がないため、重さ35キロの氷柱が2本持ち込まれ、扇風機の風を氷に当てたその冷風で両対局者は暑さをしのいだという。
 序盤、左上の数子を捨てて右下に先着し、逆に白への攻めを見たのが好判断で、ここで羽根が少しポイントをあげた。以降は、許にやや焦りも出たようだ。羽根は下辺で30子もの白の大石を仕留める力を出して勝負を決め、155手まで中押し勝ちを収めた。第2局は、7月19日に日本棋院東京本院にて行われる。

囲碁ニュース [ 2019年5月15日 ]

羽根、有言実行。碁聖戦挑戦者に勝ち上がる

 許家元碁聖への挑戦権をかけ、5月9日、第44期碁聖戦(新聞囲碁連盟主催)挑戦者決定戦が打たれた。決勝の舞台に勝ち上がったのは、準決勝で余正麒八段を降した羽根直樹九段と、井山裕太四冠を降した一力遼八段だった。中盤までは白番の一力が優勢との評だったが、勝機を求めた羽根の強手からコウ争いへと進み、一力が微妙なミスを重ねたようだ。261手まで、黒番の羽根が中押し勝ちを収め、挑戦者に名乗りをあげた。羽根が七大タイトルの挑戦手合に臨むのは、2012年の名人戦以来7年ぶりとなる。「昨年、張栩さんが名人位を奪還したことに刺激を受けた。井山さんを中心に、平成四天王の世代と若手との群雄割拠の時代を作りたい。そのために、自分はここ数年が勝負。必死にがんばりたい」と語った羽根が、言葉どおりの結果を残した。挑戦権を獲得した羽根は「負けの図はいろいろあったが、幸運にも勝つことができた。久しぶりの大舞台なので、しっかり準備していい碁を打ちたい」と五番勝負への抱負を話した。

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