日本囲碁ニュース (王座戦)

日本の囲碁ニュース・棋戦情報をお伝えします。
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囲碁ニュース [ 2018年12月19日 ]

井山、安堵の王座4連覇

 注目された第66期王座戦五番勝負(日本経済新聞社主催)の第5局が、12月13日に山梨県甲府市の「常盤ホテル」で行われた。早くから優勢となった井山裕太王座は、終盤秒読みとなっても手を緩めず、王座らしい最強の選択で白番中押し勝ちを収め、4連覇を決めた。一力遼八段の初の七大タイトル獲得は来年以降に持ち越しとなった。今年、碁聖、名人を立て続けに失い五冠となっていた井山は、局後に安堵した表情で「悪い流れを止めることができたのは、自分にとって大きいことでした」と語り、「もう一つ天元戦が残っていますので、そちらでもレベルの高い戦いができるように努力し、よい形で一年を終わりたい」と続けた。二年連続挑戦者に名乗りをあげ、今期は「あと一勝」まで迫りながら敗れた一力は「第4局以外は内容が良くなかったので、この結果も仕方ないです」と言葉少なにシリーズを振り返った。
 井山はこの防衛で、七大タイトル獲得数を「42」とし、趙治勲名誉名人の記録と並んだ。このことを記者団に尋ねられた井山は、「子供のころから憧れていた趙先生の記録に並べたのは不思議な気持ちです。自分でもよくできたと思います」とやはり安堵の表情で語った。

囲碁ニュース [ 2018年12月5日 ]

一力遼八段が並び、王座戦は最終局へ

 井山裕太王座の二勝一敗で迎えた第66期王座戦五番勝負(日本経済新聞社主催)の第四局が、11月30に新潟県南魚沼市の「龍言」で打たれた。井山王座が一敗後に連勝して流れを引き寄せたかに思われたが、一力遼八段が精神力の強さを見せ黒番1目半勝ちを収め、シリーズは最終局にもつれ込むこととなった。意欲的に打ち進める一力が序盤にリードを築くと、井山王座は局面を難しくして勝負形に持ち込んだ。逆転のチャンスもあったようだが、一力が冷静に対処して危機を脱出した。解説の河野臨九段は「井山王座の反撃はさすがでしたが、最後は一力八段の冷静な判断が光りました」と話す。前期、3棋戦の挑戦者に名乗りをあげながら10連敗の苦杯を喫した一力八段は、何としても雪辱を果たしたいところ。碁聖、名人と失冠が続いている井山王座も、悪い流れを止めたい正念場。注目の最終局は、12月13日に山梨県甲府市の「常盤ホテル」で行われる。

囲碁ニュース [ 2018年11月26日 ]

井山王座、連敗を止め連勝。防衛に王手

  井山裕太王座に、一力遼八段が挑戦している第66期囲碁王座戦(日本経済新聞主催)五番勝負の第2局が11月17日、第3局が19日に、三重県志摩市の「志摩観光ホテル」で打たれた。一力八段の先勝でスタートした本シリーズ、連勝して一気に初の七大タイトル奪取を決めるかが注目された。また、井山王座は、碁聖、名人と続いて二冠を失い、過密スケジュールの中、七大タイトル挑戦手合も4連敗と苦しんでいた。2週間の休養を経た第2局の戦いぶりにも大きな注目が集まった。
 その第2局は、上辺一帯で、互いに生きていない石が絡み合う壮絶で難解な戦いとなったが、最後は井山王座が中央の黒の大石を仕留めて白番中押し勝ちを収めた。解説の中野寛也九段は「井山王座が優勢でも緩まずに最強手を打ち続けた快勝譜」と評した。続く第3局も、最強手を打ち続ける「井山流」で優勢を築き、黒番中押しでの快勝。スコアを2勝1敗と逆転し、防衛に王手をかけた。「負けない井山」が戻ってきたのか、一力八段の巻き返しが成るか、注目の第4局は、30日、新潟県南魚沼市の「龍言」で打たれる。

囲碁ニュース [ 2018年11月1日 ]

王座戦開幕。一力が白星スタート

 井山裕太王座に一力遼八段が挑戦する第66期王座戦五番勝負(日本経済新聞社主催)が開幕し、第1局が10月26日に東京都目黒区の「ホテル雅叙園東京」で打たれた。一力八段は昨年、王座、天元、棋聖の挑戦手合に名乗りをあげながら、王者井山によもやの10連敗を喫した。「また、挑戦者に戻れてよかった」と語った一力八段の雪辱を期す強い思いは想像に難くない。中盤まで井山王座の打ち回しが冴え優勢を築いたが、終盤に入り失速。解説の高尾紳路九段は「終盤にこんなに乱れる井山王座を見たことがない」とコメントした。逆に一力は気迫で猛追し、ついに逆転を果たし、白番2目半勝ち。昨年の借りをまず一つ返した。井山王座は「気持ちを切り替えます。成長できるチャンスだと思って一生懸命打ちます」と話した。第2局は11月17日、第3局は19日にいずれも三重県志摩市で打たれる。勢いに乗って一気に一力がタイトルを勝ち取るか、井山王座が踏み止まるか注目される。

囲碁ニュース [ 2018年9月19日 ]

一力遼八段、二連連続、王座戦挑戦者に

 9月13日、一力遼八段と本木克弥八段による第66期王座戦挑戦者決定戦(日本経済新聞社主催)が行われ、239手まで、一力八段が黒番中押し勝ちを収めた。2期連続2回目の井山裕太王座への挑戦となる。一力八段は昨年、井山七冠に「天元」「王座」「棋聖」で挑戦し「十七番勝負」と言われたが、10連敗の苦杯を舐めた。その後、一時期不調だったが、自信を回復し好調の波に乗っている。師匠の宋光復九段は「大学が夏休みなことと、AIの勉強法を取り入れたことで、研究が楽しくて仕方ないようだ」と成長に期待を寄せる。一力は「タイトル戦の舞台に戻れてよかった。自分らしく悔いのないように精一杯戦いたい」と抱負を語った。

囲碁ニュース [ 2018年8月16日 ]

王座戦、天元戦、挑戦者決定に向けて佳境

 許家元新碁聖誕生は、「井山裕太一強時代」の流れを変えていくのか、それとも井山裕太六冠が「三度目の七冠」に向けて、また時代を築いていくのか――今年の残る三棋戦が大いに注目される。まずは、名人戦リーグを全勝で駆け抜けた張栩九段が挑戦する名人戦挑戦手合七番勝負(朝日新聞社、主催)が今月28日に開幕する。そして、王座戦、天元戦の挑戦者争いも、大詰めを迎えている。
 8月10日には、天元戦の準決勝、許家元碁聖と平田智也七段の一戦が打たれた。許碁聖は六浦雄太七段、平田七段は芝野虎丸七段という、それぞれ急成長の注目若手棋士を準々決勝で破って勢いに乗っていた。共に初挑戦を目指す戦いは僅差となったが、黒番の許碁聖が逃げ切り、1目半勝ち。挑戦者決定戦に駒を進めた。
 8月13日は、王座戦の準決勝二局が打たれた。村川大介八段・一力遼八段戦は、最近連勝を伸ばすなど復調し、昨年の雪辱を期す一力八段が黒番中押し勝ち。院生時代からのライバル対決となった許家元碁聖・本木克弥八段戦は、先輩の本木八段が意地を見せて黒番半目勝ち。今年の許碁聖の大躍進にストップをかけた。
 天元戦の準決勝もう一局、山下敬吾九段・河野臨九段戦は、8月16日に打たれる。

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