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山下さん、こんにちは。
私はまだ棋士としても人間としても未熟で、精神力について語るのはおこがましいのですが、思うことをいくつか・・・。
囲碁の実力が同じくらいの場合、何が勝負を分けるかと言えば、その日の体調、精神状態などでしょうか。
なかでも、思いを強くするというのは大切なことだと思います。その対局にかける思いを強く、強く持ち、研究を怠らず、体調を万全に持っていく。悩み事をつくらない、対局以外の雑念に惑わされない、など。
私には、全てに精神力を強くするにはどうすれば良いのかは分かりません。ただ、何を大切にするか、自分の力を何に傾けるかということで違うと思います。私は職業が棋士なので、対局には自分の全てが出し切れるようにいつも願い、準備して、気持ちを強く持ち、頑張ります。しかし、他の事に関して言えば、1人暮らしは寂しくて出来ませんし、何かとくよくよして悩みは尽きません。
囲碁界で精神力が強いと言われる棋士は、囲碁に傾ける思いが強いのだと思います。生活の全てが囲碁中心に回っている棋士も大勢います。寝ても覚めても囲碁の事を考え続ける棋士もいます。その努力、思いの強さが勝負を分ける精神力をつくるのではと私は思います。
少し話が長くなってしまいましたね、ごめんなさい。
最後に、最近ある一流棋士がこう言っていました。
「対局中に相手が悪手を打ったと思っても、自分が悪い手を打ったと思っても、実際のところは分からない。だから常に良い勝負ぐらいと思い、淡々と最善手をさがすこと。」
なるほどと、感心してしまいました。これならすぐにでも活用できそうですよね。
お便り、ありがとうございました。 |
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