パンダネット囲碁講座

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山城宏九段
第5回
「第16期棋聖戦挑戦手合第5局」その2
乾坤一擲の勝負手
黒・山城宏九段 白・小林光一棋聖

山城宏九段の実戦譜から、山城流のバランスの取れた打ち方を勉強しましょう。

【テーマ図・黒番】
白がやや優勢と思われる局面です。ここで黒が勝負手を放ちました。次の一手をA~Cの選択肢の中から示してください。



(手順)
黒1から動いて、5のアテを利かしました。白10までで、一旦手を置いて、黒11のカケに回りました。白14のハイは大きい手です。


黒1(A)のワタリは第一感かもしれませんが、白2の押しから、4、6と切る手が厳しくなります。



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続いて、黒1と取れば、白2のアテから6、8で隅が落ちてしまいます。



また、黒1の方をツゲば、白2、4と押し切る手があります。黒△のワタリは、白の反撃があって、まだうまくいきません。


黒1(C)の切りは狙いですが、まだ準備不足です。白2のアテから4とツガれて、黒5のマゲから9と切る手段がうまくいきません。黒13とアテても、白14と逃げ出されてシチョウにはならないのです。


(正解)
黒1(B)の肩ツキが正解です。これは右上の変化のシチョウアタリになっているのですが、白2と受けたので、黒3の切りが成立してしまいました。



(実戦)
白は黒△の一子を取る手はなくなりましたから、白1とアテコんで補強しました。黒4とシチョウにカカえて、黒の中央が厚くなりました。ようやく形勢が振り出しに戻りました。


形勢が互角に戻って、これからが勝負です。次回も山城流のバランスのいい手をご覧ください。
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