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山城宏九段
第2回
「第39期本因坊戦リーグ・残留決定戦」その2
厚みを活かしたバランスの一手
黒・山城宏八段 白・坂田栄男九段

山城宏九段の実戦譜から、山城流のバランスの取れた打ち方を勉強しましょう。

【テーマ図・黒番】
左上に黒の厚みがあります。全局を見て、次の一手をA~Cの選択肢の中から示してください。



黒1から3で白を包囲しました。白4のアテコミが好手で、白16まで先手で生きています。黒は外側の厚みを活用したいところです。


黒1(A)は、白からaと打たれるのと比較して好点ですが、白2に打たれるのがつらいのです。白2は絶好のハサミになっています。
黒3から5、7と逃げると、白4、6と追われて左上の黒の厚みが消えますし、白8のヒラキで右下の黒の厚みも消されます。

黒1(B)のカカリもいいところですが、何といっても白2が大きい。ここに打たれては失敗です。



(正解)
黒1(C)のヒラキが正解です。これで右上の黒が安定したのが大きいのです。下辺は白2と黒3が見合いになっていますから、右辺より急がなくてもいいのです。


将来的には、上辺は黒1から白の出口を止める筋を狙っています。


(実戦)
ところが、実戦では黒1とスソに潜り込んでしまいました。左上の厚みを背景に、なにかやりたくなったのです。しかし、白6とハサまれて反省したのを覚えています。



相手に好点を打たれて、苦心の中盤戦です。次回もお楽しみに。
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