パンダネット囲碁講座

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山城宏九段
第1回
「第39期本因坊戦リーグ・残留決定戦」その1
全局を見渡して
黒・山城宏八段 白・坂田栄男九段

山城宏九段の実戦譜から、山城流のバランスの取れた打ち方を勉強しましょう。
大先輩、坂田栄男九段との一戦です。

【テーマ図・黒番】
左上で際どい接触がありました。この場面で次の一手を、A~Cの選択肢の中から示してください。



(手順)
白12で左辺にヒラかなかったので、黒13のハサミは当然です。黒21と攻めたときに、白22、24で先手をとって、白26とヒラいたのが、“シノギの坂田”流の頑張った手です。


黒1(B)は白のシマリが堅いですから、方向的にソッポになっています。これは失敗。


黒1(C)は、白2のハネから4とケイマに出られて、攻めているようでたいしたことがありません。これも失敗です。



(正解)
黒1(A)の肩ツキが正解です。これは狙いのある手で、白2と受けると、黒3の出から5と逃げ出します。黒1がシチョウアタリになっていますから、これは白がたまりません。


黒1に白2とツギましたが、ここで黒3と連打するのは、白4のサガリから、一本道で白8、10の出切りが強烈です。黒△の三子が分断されますから、これは黒がいけません。


(実戦)
黒1のシチョウアタリで白2を催促して、黒3の好点に回る作戦でした。白2はダメみたいな手ですが、黒3は立派な一手です。白2を打たせただけで、黒は満足です。
このように、常に全局を見渡して、バランスよく好点を占めるのが肝心です。



石が接触していると、部分に目がいきがちですが、全局的にバランスよく打ちましょう。
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