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＜ 講座テキスト ＞
小林光一九段
第５回
「第６期棋聖戦全段争覇戦」その５
黒・小林光一九段 白・淡路修三八段
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小林光一九段の実戦譜から、小林流の真髄に触れていただきましょう。
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【テーマ図・黒番】 |
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中央の攻防は一段落しました。黒番で、次の一手を考えてください。黒Ａのコスミは、右下の白に圧力をかけながら、白の進出と止める手です。あるいは、Ｂの三々やＣの一間で隅を守る方がいいでしょうか。
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(手順)
前回から数手進んで、白１と押して３と守ったところがテーマです。
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黒１(Ａ)のコスミもかなりの手ですが、ここまで模様を広げると、さすがに白も怒ります。白２と堂々と入ってくるでしょう。黒３とコスミツケて攻めても、白６とヒラかれて、取れる石ではありません。
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黒１(Ｃ)もいい手ですが、白２の三々に入られると、これも取れる石ではありません。黒が少し甘いでしょう。
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(正解)
黒１(Ｂ)の三々に守るのが正解です。黒模様に芯を入れて、白から手をつけるのが大変です。右上方面に相当な黒地が見込めますから、これで黒が優勢です。
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(実戦)
白１から３を利かして、中の眼形を確かめました。白７と消しに来ましたが、黒８と遠慮気味に受けて十分です。
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白１のハネなら黒２と引いて、右上がまとまります。白３のブツカリに黒４の引きで、事件は起こりません。
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(実戦)
白１のハネ出しは非常手段です。白３のアテから５とオサエ込んで、中で生きれば大きい。ただし、黒８に石が来ていますから、今度は右下の白が薄くなりました。黒14から眼を奪って、白19まで、隅は黒の有利な一手ヨセコウです。黒はここを放っておいて、黒20から22とマクって、右上の白を攻めていきました。
黒24で白が投了しましたが、続けて打っても白は苦しいばかりです。右上の白に生きがあっても、右下は黒ａからコウを解消した時点で、白の眼がありません。上下がカラミになって、白が闘志を失ったのも仕方ないでしょう。
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| 中盤から黒が攻勢に出て、白を圧倒した一局でした。力の強い相手に、力で対抗して快勝しました。次回からは、また別な碁でお楽しみいただきましょう。 |
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