パンダネット囲碁講座

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小林光一九段
第1回
「第6期棋聖戦全段争覇戦」その1
黒・小林光一九段 白・淡路修三八段

小林光一九段の実戦譜から、小林流の真髄に触れていただきましょう。
力の強い淡路修三八段(当時)との一戦です。

【テーマ図・黒番】
今、白から△に打ち込まれたところです。ここで次の一手を考えてください。黒Aとツケるのは自然は手でしょう。Bは右下を荒らされるのを防ぐ手です。Cは白の連絡を止める手です。



(手順)
テーマ図までの手順です。白18のシマリは大きな手です。白22と打ち込んだところがテーマです。


黒1(B)のサガリは、白の侵入を阻む手です。しかし、白2と上にコスまれると、黒は△の一子を動けなくなるのが不満です。


黒1(A)の上ツケは自然な発想です。しかし、白2のノビから、8まで簡単にワタられてしまいます。これは地をえぐられて、つらいでしょう。



(正解)
黒1(C)のナラビは妙な形ですが、意外に有力です。白の連絡を阻んで、△の石への攻めを狙っています。白2のツギはこの一手ですから、黒3とトンで中へ出て行きます。白の4とトンで出てきますが、黒5から7と煽って、白を攻める構えです。この白を攻めながら、左辺の黒模様を広げるのが黒の作戦です。


(実戦)
白1のスベリはいいところです。黒2のコスミから4と受けました。ここで、白5とアテコんできました。黒の応手が悩ましいところですが、この後は、次回をお楽しみに。


小林流は、今でもたくさん打たれています。国際戦で海外の棋士も多用していますから、現代の基本戦法の一つといえるでしょう。小林九段本人の棋譜で、じっくり勉強していきましょう。
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